2009年12月06日
「AXISM」展を振り返って。
オルタナティブスペース・スノドカフェで初めての建築イベント。
企画者は二人の1級建築士です。
いつも美術家芸術家とお話することが多いので建築家との打ち合わせはとても新鮮で、気づくことも多くありました。
まず打ち合わせの段取りがきっちりしている。必ずレジメも作ってくる。よく考えてみれば当然のことを至極当然にしているまでだろう。彼らはいつもクライアントと仕事をしているのだ。出来ていて当たり前の世界。期待を上回って初めて仕事に繋がる。
(芸術家が適当という意味ではありませんのであしからず。説明の仕方や進め方が違うということです)
彼らは本展覧会を開催するに当たっても「期待以上の満足」を目標にしていた。
とても頼もしい。
1日目はワークショップ。
参加者にギャラリー(スノドカフェ敷地内にある4畳ほどの極小ギャラリーのこと)の模型(1/20)を与え、それぞれが気持ちのよい展示構成を作り上げていくもの。
1/20にリサイズされた絵画作品1つ、積み木(実際の大きさが一辺5cm)のシート、椅子1脚がそれぞれに渡される。同じ条件の中、どのような作品ができるか期待が高まった。
12名が参加しましたが、結果的にはそれぞれに特徴のある空間構成となりました。
ほとんどかぶっているものがないことには皆が驚き、感心した。
それぞれが短い時間の中、コンセプトを発表。
最初は緊張していた参加者もこのころになるとだいぶ打ち解けあい活発な意見が交換できてきた。
こういったこともワークショップの愉しみだろう。
それぞれのアイデアを発表するたびに盛り上がりの声が響く。

このワークショップで出来上がった作品から1つを選び、それを実際に建築士の2人が施工するというのも今回の企画の一環である。最初は2人が選ぶ予定だったが予想以上のアイデアと盛り上がりから急遽多数決で決めることになる。
一同息をのむ。笑
激戦の末、決戦投票の結果によって1つの作品が決まった。
タイトルは「木立ちの下の花」という作品。
ギャラリーを森の中と見立てて、木漏れ日の中で座って絵画を鑑賞するというもの。
縦に長い空間の特徴を使いながら、狭さを長所のように扱った作品だ。
ポエティックな雰囲気が漂う気持ちよさそうな空間だった。
ちなみに僕の案は空間を逆さに見立るというアイデア。
決選投票の4作品に残る健闘を見せました。
オーナー権限でいつか実際に設置しようと思っています。笑
ワークショップが終わっても雑談に花が咲く。
作品を通して各自のパーソナルな部分が垣間みれることも面白い。
皆慣れていない作業だったため、かなり緊張を強いられていた。
もっともそれは企画者の影山氏と大橋氏にとっても同じだったようだ。
ひとまず無事終わった安心感に皆が包まれて穏やかな時間が流れた。
期待以上の満足があったことを感じとりながら1日目解散。
2日目はレクチャー。
まずは自己紹介として「AXISM」を説明。
彼らがなによりも大切にしたいのは目に見えない空気感。
英語でいうところの「atmosphere」。
気持ちのよい空気感をどう作るか。
またそれを何によって感じさせるのか。
このイベント自体もまた「atmosphere」を創りだす装置であると説明。
建築への理解を高め、「住まう」ことの意味を再構築させる。
住まう主体(私たち)に「atmosphere」の存在を認識させることができれば
この企画が成功したといえるのだろう。
豊富な写真とともにレクチャーは進む。
建物というのは気づかずに人体に影響を与えていることが良く理解できる。
人間はつくづく環境の生き物だと気付く。(生物としては当たり前すぎること!)
もっとも良い建築というのは、その人間の生理をうまく利用して気持ちのよい
空間を創りだす。それは物理的条件だけではない。狭くても広くても
明るくても暗くても気持ちのよい「atmosphere」は存在する。
レクチャーのタイトルは「建築を取り巻く環境と設計のプロセスについて」
設計のプロセスについては本展覧会の企画から本番までを具体例として説明。
実際の建築のプロセスではないが、イメージが形になっていくプロセスは基本的には同じである。
イメージ、ディスカッション、スタディ、ディスカッションを繰り返し少しづつ形になっていく。
このような機会に参加できることは何とも有り難いこと。自分のスキルアップになった。
環境については先に上げた空気感の作り方を中心に話しが進められた。
境をゆるやかに繋ぐことに配慮している様子が印象的。
日本人的あいまいさが建築の中でどのように落とし込まれているかなどは非常に興味深かった。
欄間とか襖とか扉とか光とか。
彼らの建築スタイルは環境との対決ではなく、受け継がれた知恵を使い環境に寄り添い利用する。
それは土地を見ることであったり、人を見ることであったりする。
参加者の方がブログに記事を書いていますのでそちらも参考にしてください。
しぞーか式「分けたり分けなかったり両方だったり。(←どっちやねん!)」
2時間たっぷり使いレクチャーは終了。
ほっと一息付いたのですが、実はここからが長かった。
最後まで残った10名程度で午前様まで建築とアートの話題で盛り上がる。
またこれが面白かった。こんな時間も次のクリエイティヴには不可欠。笑
充実した2日間は充実した準備期間にあると再確認した展覧会でした。
天井に吊るした積み木で作った仮設天井。空間を変化させることによって親密な空間をつくりだしました。
にじり口。カフェ入り口に設置した入り口。通常60cmのにじり口の倍120cmの入り口を設置することで、部屋の空間を広く感じてもらおうという構造。異空間に入るといった心構えを生み出す効果も。
ワークショップのために用意した1/20スケールの模型16個とそれぞれの備品。
開催までの打ち合わせのときに使ったメモを1枚のシートに印刷。プロセスシートとして展示。
などどれも手の込んだ準備をしてくれた二人には本当に感謝。
しかも展覧会が終わった後にはワークショップ作品をギャラリーに展開。
こちらも展示の制約のあるなかでコンセプトを守りつつ、機転を利かせてみごとに設置することが出来ました。
本当にその責任感に感服する次第。
「AXISM」は2年間をめどに建築にまつわるさまざまな活動していきます。
次回は3ヶ月後にイベントを開催する予定です。
興味あるかたはどうぞお見逃しなく。

投稿者 スノードール : カテゴリ−() | コメント (0) | トラックバック (0)
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